2-1. 塗膜の乾燥に関する試験

1.乾燥時間:JIS K 5600-3-2 , 3-3

                JIS K 5400-6-5

 塗料が塗り付けられた後、塗膜形成助要素(溶剤など)が揮発したり、化学反応を生じたりして流動性を失い、固体状の塗膜を形成するまでの時間を乾燥時間といいます。

 塗膜の乾燥までにはその程度および種別によって、指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥と分類されています。

 なお、新JISでは、JIS K 5600-3-2に表面乾燥性(バロチニ法)とJIS K 5600-3-3に硬化乾燥性が新設されています。(注バロチニ法とは小さな透明ガラス球のこと)

 

2.製品と被塗装面との適合性:JIS K 5600-3-4

  上塗り適合性、塗り重ね適合性:JIS K 5400-6-7 , 6-8

 素地(製品が使われる場合の素地の代表的なもの)または、塗装された素地に上塗りした場合や下塗り、中塗り、上塗りと塗り重ねた場合、塗膜に異常が起きないかを試験します。

 このときの異常とは、はじきや過度のだれ、ピンホール、リフティング(縮み)などをいいます。

 にじみは、着色した塗膜に白塗料を塗装した場合、着色した塗装の色が上塗りの白塗膜ににじみを生じているかを確認します。

 

3.不粘着乾燥性:JIS K 5600-3-6

   不粘着性:JIS K 5400-8-12

 乾燥した塗膜が、温度の高い条件や湿度の高い状態で、粘着を示す傾向のでる場合があり、この傾向を調べる試験です。

 乾燥塗膜の上に規定されたポリアミド単繊維で織られたガーゼを置き、その中央にゴム円盤を設置し、規定された時間、規定された負荷をかけます。その後、ガーゼを除去し塗膜表面にガーゼの布目が残らないかを判定します。

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