2-3 塗膜の化学性能に関する試験

 塗膜の化学性能を調べることは、塗膜が種々の化学薬品とか、素地の化学的性能にいかに耐えるかを知るために必要な試験で、主に浸漬方法による試験が行割れます。

 

1.耐液体法(一般的方法):JIS K 5600-6-1

              (水浸漬法):JIS K 5600-6-2

 耐水性:JIS K 5400-8-19

 耐アルカリ性:JIS K 5400-8-21

 耐酸性:JIS K 5400-8-22

 塗膜が、要求される薬品などに耐える性能があるかどうかを試験する方法です。

 例えば、薬品工場に塗装する塗料なら、酸やアルカリに耐える塗膜性能を備えているかを検証する必要があります。

 また、モルタル・コンクリート・スレート板などのアルカリ素材に塗装する塗料なら、耐アルカリ性が要求されます。

 このように、求められる試験液に試験塗膜板を規定時間浸漬して、塗膜にふくれや剥離などの異常が発生しないかどうかを評価する試験です。

 耐液体法(一般的方法)には3種類の試験方法があります。

  a)浸漬法

  規定された試験液に試験板を浸漬して、塗膜の変化を確認する試験方法。

  b) 吸着媒体法

  試験板の上に試験液を含んだ円盤(一般的には圧縮した板紙)を置き、その上を時計皿で被う。

  規定時間後、円盤を取り除き、塗膜の変化を確認する方法。

  c)点滴法

  試験板の上に、規定液の液滴(約0.1ml)を必要分落し、規定時間放置後、塗膜の変化を確認する試験方法。

 

2.耐加熱性:JIS K 5600-6-3

 塗膜の加熱安定性:JIS K 5400-8-13

 塗膜が高温にさらされると、塗膜を形成している樹脂が熱の影響を受けて変化します。

 特に規定がなければ、125±2℃に設定された空気循環のあるオーブンに試験板を入れます。

 規定時間後、試験板をオーブンから取り出し、23±2℃まで冷却してから、塗膜の変化や損傷を確認します。

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