6. 塗装の環境に起因する欠陥

 塗装環境によるものとして、高温、低温、高湿度などに注意が必要です。塗装で好ましい条件は、気温15~30℃、湿度が75%以下です。もう少し範囲を広げると、気温5~40℃、湿度85%以下になりますが、前者のほうが好ましいです。

 塗装を避けてほしいのは、温度5℃以下、湿度85%以上の時です。

 温度が5℃以下では、水性塗料の乾燥が極端に悪くなるし、2液型塗料も樹脂系によっては乾燥しなかったり、乾燥が遅れることになります。

 湿度85%以上では、速乾形塗料を塗装すると、乾燥時の気化熱によって塗膜表面に結露が発生し、白化現象(ブラッシング)を起こします。一般的にはリターダシンナー(乾燥を遅らせるシンナー)を添加します。

 建築現場では、周囲のほかの作業によって、塗装中、または、塗膜の乾燥中にちりやほこりで汚されないように十分注意し、塗装箇所の周辺、床などには必要に応じて、あらかじめ適当な養生を必要とします。

 塗装作業を行うにあたっては、作業環境が悪ければ欠陥は生じやすいです。

 作業前の環境整備として、屋内では清掃、照明、気温、湿度、換気など、屋外では強風、降雨雪、太陽光線、温度、湿度などの点に十分留意する必要があります。

 特に、塗料の調合場、及び作業場はよく整理整頓し、必要な換気を行い、可燃性塗料を使用する場合は火気厳禁とします。また、油類など塗料を含んだウエスなどは自然発火しやすいので、水の入った容器に収容するなどの安全対策が必要です。

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