4.せっこうボードその他のボード(乾式工法下地)

4-1 せっこうボード

 焼せっこうに、無機繊維などを混入して水で練り、これを両面から厚紙で押さえて板状に成形したものです。一般に耐火ボードと呼ばれますが、これは簡易防火剤として使用できる性能を持っているからです。

せっこうボードに小穴をあけて吸音効果を持たせたものなどがあります。近時せっこうボードは厚形となり、天井、壁などに隔壁として多量に使用され、これの接合部をパテ付け作業によって一面化し、塗装によって大壁を構成させる作業が多くなっています。

 

4-2 石綿セメント板

 天然に産出する石綿に、セメントと水を混合して練った材料を圧縮成形した薄板です。製造法によって、平板とフレキシブル板があり、平板はセメント85に対し石綿15の重量比であり、フレキシブル板はセメント65に対し石綿35で、強度も大きいです。「石綿板」「石綿スレート板」ともいいます。大平板は平板状のものであり、外壁や軒裏などに使用されます。原料の石綿(アスベスト)は蛇紋岩や角閃石から採取されます。

 塗装する場合は下地処理を十分行います。石綿スレート板は伸縮性があるので目透かし貼りやジョイナーを使用するのが一般的です。

 

4-3 木毛板

 木材を長さ10~30cmのリボン状に削ったものを木毛といい、吸水した木毛とセメントを混入した加圧成形した板で、断熱、吸音、防火の性質を持っています。壁下地用、化粧用として体育館などの天井に用いられています。塗装する場合は吹付けにて下地処理、仕上げを行います。

 

4-4 繊維板

 繊維板には比重により硬質繊維板(ハードボード)、半硬質繊維板(セミハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)とがあります。硬質繊維板は木削片を破砕し、薬品を加えて加熱により繊維化したものを圧縮成形した板で比重0.8以上のものです。これに乾性油を塗布し乾燥させたものをテンパー製品といい、壁板、床板、家具、キャビネット等に用います。

 半硬質繊維板の比重は0.8未満です。軟質繊維板は比重0.8以下のファイバーボードで主に断熱、吸音用の建材として用いられます。A級は軽量で断熱性が良く、耐水性がありません。B級はテックスと呼ばれ、わらを主原料とした粗悪品です。近年いろいろのボード類が新建材として採用されていますが、塗装作業に際しては被塗物の種類及び性質についてよく認識したうえで、施工しなければなりません。

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