9 2液型エポキシ樹脂塗料の塗装

 2液型エポキシ樹脂塗料は耐水性・耐薬品性・防食性・耐摩耗性などの塗膜性能が優れているので、過酷な条件下で使用されるケースが多い。

 また、付着性にも優れているのでさび止めやシーラーにも使用される。

 2液型エポキシ樹脂塗料を大別すると、エポキシタイプと変性エポキシタイプがある。

 エポキシタイプは使用する硬化剤の種類により用途が分かれる。

 ポリアミドアミン効果タイプは耐水・耐アルカリ性能に優れ、変性ポリアミンタイプは耐水・耐アルカリ・耐酸・耐溶剤性能に優れている。

 なお、2液形エポキシ樹脂塗料は、低温(5℃以下)での乾燥性に劣るので、低温用として硬化剤にイソシアネートを使用する速乾形がある。

 2液型エポキシ樹脂塗料の塗装では、1種ケレンが必要だが、2種ケレンで塗装できるタイプとして2液形変性エポキシ樹脂塗料がある。

 代表的には、さび止めとしての2液形変性エポキシ樹脂プライマーやタールエポキシ樹脂塗料がある。

 タールエポキシ樹脂塗料は、色が黒または暗色が主流であり、美装を必要としない箇所に使用される。

 エポキシ樹脂塗料の欠点は紫外線に弱く、外部の最終仕上げには使用しない。

 なお、2液形塗料の共通点だが、規定の混合比で調合し、調合後は可使時間(ポットライフ)内に使い切る。

 可使時間を過ぎたものは使用してはならない。

 塗り重ね乾燥時間にも制限があるので注意する。塗り重ね乾燥時間を超過した場合は、層間剥離を防止するため、十分に研磨紙ずりを行う。

 特にエポキシ樹脂塗料は耐候性が劣るので、外部での最終仕上げに使用することは避けなければならない。

▲このページのトップに戻る