建築は設計図に基づいて工事を進めていくが、施工上のすべてを図面に表わすことは難しい。図面では表せない内容は文書で明確にして、設計の意図を施工者に伝えるが、これを仕様書といい、設計図とあわせて「設計図書」とされている。仕様書には、材料の種類・品質程度・施工の方法・仕上げの程度・施工上特に注意すべき事項などが記述されていて、設計図だけでは説明できないことを補足する。仕様書は、工事費や予算を組む場合も、また施工者の見積りにも、設計図とともに重要な指針となるものである。

 建築工事では構造や使用材料、さらに施工法などがそれぞれの工事によってことなるため、特別な仕様以外は、日本建築学会の建築工事標準仕様書に基づいて施工するよう慣例づけられている。工事の規模や内容によって、設計者の意図で、特殊な工法や特別な材料を用いたりする場合など、その工事独自の仕様が必要とされるときには、特記仕様書が作成されて、使用材料や施工方法などが詳しく指定される。

 しかし実際問題として、設計図によっても、また仕様書を見ても、なお不明な箇所が工事の施工中にでてくる場合もある。そのときは工事監督員の指示による。

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