2.色彩の表示方法

 一般的に塗料の色を決める場合、各種見本帳や実物サンプルなどが用いられています。

 塗料で最も標準的な見本帳が、(社)日本塗料工業会が発行している「塗料用標準見本帳」で、2年ごとに見直しが行われ、改訂され頒布されています。

 ほかに、各塗料メーカーが発行している各種見本帳があり、千差万別です。

 塗料の色は発注者が、それぞれの見本帳に表示された色番号で注文することになります。

 たまたま、「塗料標準見本帳」の色と塗料メーカー色が同じであっても、発注者は採用した見本帳の番号で注文することになり、見本帳がないと、その色がどのような色かは分りません。

 この色を記号化し、わかりやすくしたのがマンセル記号です。

 マンセル記号は、「5R6/4」のように表現され、「5アール、6の4」と読みます。

 「1.色彩の用語」で説明しましたが、5Rが色相を現し、6が明度、4が彩度を現します。

 色相は下記表のように分類され、1つの環として考えると理解しやすいです。

色相名 黄赤 黄緑 青緑 青紫 赤紫
色相番号 R YR Y GY G BG B PB P RP

 この10種類の色相相互間をそれぞれ4等分し、その中間色を表しています。

 5のつく色が代表的な色で、5Rなら赤の中の代表的な赤になります。この赤を、2.5Rと表現すると5Rの赤よりもRP寄りの色で、紫味の赤になります。7.5Rの赤は、5RよりもYRに寄った色で黄味の強い赤になります。10RはRとYRの中間色を指します。

 明度を表す数字は「1~9」まであり、白の明度を10、黒の明度を0とし、この間を10等分しています。数字が大きいほど白に近く、数字が小さいほど黒に近くなりますが、明度5を代表的な灰色としています。これらの色は無彩色と呼ばれています。

 彩度も数字で表しますが、数字が大きくなるほどその色の彩度は高くなります。すなわち、数字が大きいほどさえた色になります。数字は、0、2、4、6・・・のように偶数で現すのが一般的です。彩度0は無彩色を意味していて、一般的には用いません。

 なお、色味を持つ色を「有彩色」といいます。

▲このページのトップに戻る